脳梗塞、脳腫瘍、クモ膜下出血など、仕事や生活に大きな影響をおよぼしたり、命を落とすこともある脳の病気「脳血管疾患」。
現在、日本国内の脳血管疾患による死亡者数は、10万人以上に上ります(※)。脳血管疾患は突如として発症する場合が多く、死に至るケースも少なくありません。
(※)厚生労働省「人口動態統計」(2021)より引用。
重篤な状態になるケースも珍しくなく、怖い脳血管疾患ですが、脳血管疾患による脳や身体へのダメージを防ぎ、命を守るためには、高性能MRIによる脳の検査が必須です。検査結果を基に、現在の脳の状態を確認した上で早期に予防・処置・治療を開始することで、脳血管疾患がおよぼす脳や身体へのダメージを軽減しやすくなります。
当院の脳神経外科では、脳の状態を確認するための「脳ドック」を行っています。
今回は、当院で実施している「脳ドック」の検査内容、および、脳ドックがおすすめの方についてご説明します。
目次
■脳ドックの検査内容
当院の脳ドックでは、主に以下の検査を行います。
1.脳内血管の画像検査(高性能MRIを使用)
1.5テスラ高性能MRIを用い、脳動脈瘤や脳動脈硬化による脳内血管の狭まり・詰まりの有無を確認します。
2.血管の動脈硬化状態を知るためのABI検査(血圧脈波測定装置を使用)
血圧脈波測定装置を用い、脳内の血管の詰まり具合いを確認します。ABI検査は血管年齢を診断する目安にもなります。
3.頸動脈のエコー検査(超音波診断装置を使用)
超音波診断装置を用い、頸動脈瘤や頸動脈の動脈硬化による頸動脈の狭窄とその程度や閉塞などを確認します。
脳に近い頸動脈の狭窄・閉塞は脳血管疾患をひき起こす原因になり得るため、日頃からの注意が必要です。
4.血液検査
患者様の血液を採取し、空腹時の血糖値・HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)・中性脂肪・総コレステロールを確認します。血液検査により、高血圧、糖尿病、高脂血症など、脳血管疾患のリスクを高める病気を調べられます。
■脳ドックがおすすめの方
(脳血管疾患のリスクが高い方、脳血管疾患の可能性がある方)
・40歳以上で、これまでに一度も脳ドックを受けたことがない
・脳血管疾患(=脳卒中:脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血など)を起こした家族・親類がいる
・高血圧、糖尿病、高脂血症のいずれか、または、左記の複数の持病がある
・喫煙習慣がある
・飲酒をしている
・慢性的な頭痛がある
■脳ドックを受けられない可能性がある方
・ペースメーカーなどの医療機器や、ステントなどの医療用金属が体内にある
・タトゥーがある(※)
・閉所恐怖症
・認知症などにより、MRI装置の中でじっとできない
・妊婦の方、妊娠の可能性がある方
(※)タトゥーの種類(金属を含まない顔料)によっ
ては、脳ドックを受けられる可能性があります
■アルツハイマー型認知症を早期に発見するための「VSRAD検査」のご案内
{高性能MRIによる脳の画像診断でアルツハイマー型認知症の早期発見を目指します}
たけだクリニックでは、高性能MRIによるVSRAD(ブイエスラド)検査を行っています。
VSRAD検査では高性能MRIを用いた画像診断により、脳の萎縮度を調べ、アルツハイマー型認知症の早期発見を目指します。
VSRAD検査については、ブログにて詳しくご説明しています。併せてご参照ください。
{VSRAD検査に加え、医師による口頭での診察・検査も行います}
アルツハイマー型認知症を早期に発見するためには、VSRAD検査による脳の画像診断に加え、医師による診察・検査も重要です。
当院では、医師による口頭での質問形式の診察・検査を行い、アルツハイマー型認知症の有無を診断しています。
【脳血管疾患のリスクが高い方、脳血管疾患が心配な方は定期的に脳ドックを】
脳血管疾患は年齢や因子に関わらず、どなたにも起きる可能性があります。
今回、お伝えした脳血管疾患のリスクが高い方、脳血管疾患の可能性がある方をはじめとして、脳血管疾患が心配な方は定期的に脳ドックを受けることをおすすめします。
なお、脳ドックは今回ご紹介した検査から項目をお選びいただき、組み合わせることも可能です。たけだクリニックでは、患者様のご希望や脳・身体の状態に応じ、適切な検査をご提案いたします。
{脳ドックの費用について}
保険が利かない予防的検査のため、脳ドックは自費になります。原則として自費ですが、けんぽなど、社会保険の各種健康保険組合や国民健康保険加入者の方・後期高齢者の方は脳ドックの補助・助成により、費用を節約できる可能性があります。脳ドックの補助・助成については、各種健康保険組合や春日井市のHPをご確認ください。