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蕁麻疹(じんましん)とは 症状・原因・種類・治療方法


一般的に見られる皮膚の病気の一つ、蕁麻疹(じんましん)。


名前はよく知られている、蕁麻疹。知名度の高さのみならず、実際に、蕁麻疹による肌の赤み・かゆみでお悩みの方は少なくありません。


今回は、お悩みの方も多い蕁麻疹について、症状・原因・種類、および、治療方法をご紹介します。


■蕁麻疹とは?

◎皮膚の盛り上がりや赤み、かゆみを伴う、皮膚の病気です

蕁麻疹とは、皮膚の病気です。


通常、蕁麻疹では、何らかの原因によって血管の外に放出された物質(主にヒスタミンなど)に血管が反応し、皮膚の盛り上がりや赤み、かゆみを伴います。


■蕁麻疹の症状

◎一時的、または、慢性的な皮膚症状が見られます

蕁麻疹の主な症状は、皮膚の盛り上がりや赤みなどの皮膚症状です。


蕁麻疹の皮膚症状は、多くの場合、数十分以内~長くても1日以内に治まります。ただし、患者様や蕁麻疹の種類・原因によっては、数日、数週間、数ヶ月にわたって皮膚症状が続くケースも。


[蕁麻疹の主な症状]


  • ・皮膚の盛り上がり

  • ・皮膚の赤み

  • ・皮膚の強いかゆみ

  • ・皮膚のチクチク・ヒリヒリとした痛み

  • ・まぶたや唇の腫れ

  • ・のどの腫れ(物が飲み込みにくい、のどが詰まった感じがする、息がしにくいなど)


{蕁麻疹はのどの腫れに注意が必要}


皮膚症状のほか、蕁麻疹でのどが腫れることも。のどの腫れが大きいと、呼吸困難になる場合もあるため、蕁麻疹の症状には注意が必要です。


■蕁麻疹の原因

◎アレルギーのほか、疲労やストレスなど、様々な原因が推測されています

現時点では、蕁麻疹をひき起こす原因は、はっきりとは解明されていません。


はっきりとは解明されていませんが、食べ物・薬品などのアレルゲン(アレルギー物質)のほか、疲労やストレス、物理的な刺激、血液疾患など、様々な因子が蕁麻疹の原因と考えられています。


[蕁麻疹の原因と考えられている因子]


食べ物

魚介類(サバ、サンマ、マグロ、エビ、カニなど)

肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)

乳製品(牛乳、チーズなど)

野菜

穀物(大豆、小麦、ソバなど)

果物

香辛料

食品添加物

人口着色料(赤色、黄色など)、防腐剤(パラペンなど)、サリチル酸

薬品

抗生物質(ペニシリン、セフェム系など)、咳止め、解熱鎮痛薬など

植物・昆虫

イラクサ、ゴムの木、蜂などの昆虫類(昆虫に刺される、昆虫にふれる)

感染症

細菌、ウィルス、寄生虫、カビ菌などの真菌類

物理的な刺激

皮膚のこすれ・圧迫、温熱、寒冷、日光、振動など

器官や内臓・全身性の疾患

むし歯、血液疾患、血清病、膠原病など

その他

疲労、肉体的・精神的なストレス、運動、発汗など


■蕁麻疹の種類

◎「突発性」「誘発性」「その他」の3種類に分けられます

蕁麻疹をひき起こす原因は、はっきりとは解明されていません。原因は解明されていませんが、蕁麻疹は大きく以下の3種類に分けられます。


  • ・突発性蕁麻疹(原因を特定できない蕁麻疹)

  • ・刺激誘発性蕁麻疹

  • ・その他の蕁麻疹


≪突発性蕁麻疹≫


突発性蕁麻疹とは、アレルゲンなど、これといった原因を特定できず、突発的に起きる蕁麻疹を指します。一般的な蕁麻疹は、その多くが突発性蕁麻疹です。


突発性蕁麻疹は、症状が続く長さにより、以下の2つに分類されます。


[突発性蕁麻疹の種類]


  • ・急性突発性蕁麻疹:6週間以内に症状が治まるもの


蕁麻疹は、年齢に関わらず発症することがある点が特徴です。子どもの場合、風邪に伴い急性突発性蕁麻疹を発症するケースが見られます。


  • ・慢性突発性蕁麻疹:6週間以上、症状が続くもの


慢性突発性蕁麻疹は夕方から夜間に症状がでやすく、症状が悪化しやすい傾向が見られます。ケースによっては、数ヶ月~数年、蕁麻疹の症状が続く場合も。


≪刺激誘発性蕁麻疹≫


刺激誘発性蕁麻疹とは、アレルゲン、物理的刺激などの特定の原因によって起きる蕁麻疹を指します。刺激によって起きる蕁麻疹のため、刺激が加わったときのみ症状が出やすいですが、症状が出ない期間が続くことも。


[刺激誘発性蕁麻疹の種類]


  • ・アレルギー性蕁麻疹:アレルゲンにより、ひき起こされるもの


食べ物・薬品・植物などに含まれるアレルゲン(アレルギー性物質)により、蕁麻疹がひき起こされるものを指します。


アレルギー性蕁麻疹はアレルゲンにふれた・食べた後、数分後~1、2時間以内に症状が現れることが多いです。


  • ・物理性蕁麻疹:物理的な刺激により、ひき起こされるもの


皮膚のこすれ・圧迫、温熱、寒冷、日光、振動など、物理的な刺激により、蕁麻疹がひき起こされるものを指します。


  • ・コリン性蕁麻疹:発汗により、ひき起こされるもの


運動や入浴などで体温が上がり、汗をかくことで蕁麻疹がひき起こされるものを指します。


コリン性蕁麻疹は皮膚のかゆみ・ピリピリとした皮膚の痛みが起きやすいです


≪その他の原因によりひき起こされる蕁麻疹≫


遺伝などの原因により、蕁麻疹がひき起こされることがあります。


[その他の原因による蕁麻疹の主な種類]


  • ・血管性浮腫(クインケ浮腫):遺伝などの原因により、ひき起こされることがあるもの


血管性浮腫(クインケ浮腫)とは、唇などの粘膜やまぶたなどの皮膚が腫れあがることがある蕁麻疹です。


血管性浮腫は食べ物や薬品などのアレルゲンによってひき起こされることがあるほか、稀に、遺伝が原因で血管性浮腫を発症する場合も。


■蕁麻疹の治療方法

◎抗ヒスタミン成分が含まれた飲み薬やステロイドを含む塗り薬などを用い、症状の抑制・緩和を図ります

蕁麻疹は、数十分以内~長くても1日以内に症状が治まることが多いです。症状が一時的なケースが多いため、すべての蕁麻疹に対して、皮膚科をはじめとする医療機関での受診が必要になる訳ではありません。


すべての蕁麻疹に対して、医療機関での受診は必須ではないですが、蕁麻疹の症状が長引いていたり、蕁麻疹をくり返している場合は、皮膚科や内科での受診が必要になることも。


治療では、抗ヒスタミン成分が含まれている飲み薬やステロイドを含む塗り薬などを用い、症状の抑制・緩和を図ります。


薬剤の使用に加え、アレルギー検査などにより、蕁麻疹の原因を探っていくことも大切です。ただし、検査をしても蕁麻疹は原因が特定できないケースも少なくありません。


【皮膚の盛り上がりや赤みなどの症状が見られる場合は、ご相談ください】

たけだクリニックでは、女性の皮膚科医による皮膚科診療を行っています。


蕁麻疹は症状が進行したり慢性化すると、皮膚のかゆみ・痛みがストレスとなり、生活の質(Quality of Life:QOL)が下がるおそれがあります。


QOLの低下のほか、蕁麻疹はアレルギーが原因の場合、ケースによってはアナフィラキシーショックを起こしてしまい、命に関わることも。


[皮膚科での受診をおすすめする、蕁麻疹の例]


  • ・食べ物を摂取したとき、蕁麻疹が出ることがある

  • ・薬品を用いたとき、蕁麻疹が出ることがある

  • ・蕁麻疹の症状が長引いている

  • ・蕁麻疹をくり返している


QOLの低下を防ぎ、万が一のトラブルを避けるためにも、上記のような症状が見られる方は、まずは、皮膚科での受診をおすすめします。


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