スポーツ外傷・スポーツ障害を防ぐには、患部の症状を精密に診断し、適切な治療をすることが大切です。
当院では超電導タイプ(1.5T)の高性能MRI装置を導入し、診断の精密さを高めています。
今回は「MRI検査のメリット」についてお話しします。
目次
MRI検査とは
◎磁力と電波で体内画像を撮影します
MRI検査とは、MRI装置を使った検査です。MRI装置は磁力と電波を当て、身体の細胞に含まれる水素原子を画像化します。
レントゲンやCTとの違い
◎身体の内部を鮮明に画像化できます
MRI装置は身体に含まれる水素の動きを画像でとらえる撮影機器です。
人間の身体の半分以上は水でできています。MRI検査を行うことで水分や脂肪を含む体内の軟部組織を鮮明に画像化できます。
体内の軟部組織 椎間板、脊髄神経、靭帯、腱、骨髄、海綿骨(骨の内側)など
MRI検査では水素の動きにともない、体内の軟部組織の濃淡(コントラスト)が鮮明に写し出されます。レントゲンやCTよりも濃淡がわかりやすいため、軟部組織の怪我の状態や病変を判断しやすくなります。
{MRI検査が役立つ場面・怪我の種類}
・怪我の部位の特定
・怪我の広がりの確認
・怪我の状態の確認
・レントゲン検査ではわからない骨折(不顕在骨折)
・椎間板ヘルニア
・靭帯損傷
・半月板損傷
など、水分を含む軟部組織の損傷の診断
{骨の表面を写し出すのはレントゲンやCTが得意}
人間の骨は表面を覆う硬い皮質骨と水分を含む内側の海綿骨で構成されています。海綿骨の中には骨髄があり、白血球、赤血球、血小板などの血液細胞を作っています。
皮質骨は水分や脂肪を含まないため、MRI検査では骨の表面の皮質骨は写し出せません。骨の表面の状態を写し出して確認するのはレントゲンやCTの得意分野です。
当院では怪我の種類や状態に合わせてCT、MRI装置を用い、診断を行っています。
◎放射線を出しません
MRI装置は磁力と電波を使って体内の軟部組織を撮影します。レントゲンやCTと異なり放射線を出さないため、MRI検査は医療被ばくの心配がありません。
MRI検査のメリット
①レントゲン検査では確認がむずかしい、皮質骨以外の軟部組織(椎間板、筋肉、神経、靭帯、腱、半月板など)を鮮明な画像で診察できます
②レントゲン検査ではわからない骨折の診断に役立ちます
③磁力と電波を利用するため、医療被ばくの心配がありません
④さまざまな方向から身体を撮影できます
⑤検査で痛みを感じません
MRI検査時の注意事項
・検査中はMRI装置の中に入っていただきます。あらかじめトイレは済ませておいてください。
・磁力を利用するため、体内に金属や機械がある方はMRI検査を受けられない場合があります。
{MRI検査を受けられない方}
- 心臓のペースメーカー、埋め込み型の除細動器、人工内耳などの機械が体内にある方
{安全性が確認された場合のみ、MRI検査を受けられる可能性がある方}
- 人工関節やチタンプレート、脳動脈クリップなどの金属が体内にある方
- 入れ墨やアートメイクをしている方
・閉所恐怖症の方は事前にお申し出ください。恐怖感が強い場合はMRI以外の方法による検査も可能です。
・恐怖感が強い場合はいつでも途中でMRI検査を中断できます。ご遠慮なくお伝えください。
・MRI検査は妊婦の方およびお腹の中の赤ちゃんに影響がないとされています。心配な場合はMRI以外の方法による検査も可能です。ご遠慮なくお申し出ください。
・身に着けている金属類は検査前にすべて取り外していただきます。金属成分を含む可能性があるため、コンタクトレンズも取り外してください。
・金属成分を含む可能性があるため、マスカラなど、メイクは控えめにしてお越しください。
・検査当日の食事制限、お薬の制限はありません。
【精密な画像診断と適切な治療】
当院は大学病院レベルの高性能MRI装置を完備しています。従来のMRI装置と比べ、短時間で高画質な画像を撮影可能です。
MRI検査は当院在籍の磁気共鳴専門技術を持つ有資格者が撮影を担当します。撮影後はMRI検査で得られた画像を基に医師が診断を行い、患者様に合った適切な治療方法をご提案させていただきます。
「怪我が長引いている」
「スポーツ障害がなかなか治らない」
など、怪我や身体の不調でお悩みの方はお気軽にご相談ください。