秋から冬にかけては湿度が下がり、乾燥する季節です。
エアコン暖房を使用している方も、エアコンの風によって室内が乾燥しがちになります。
乾燥は、のどや鼻の不調のほか、乾燥肌をはじめとする肌トラブルをひき起こす原因にもなります。乾燥しやすい秋から冬にかけては、「乾燥対策」を行うことが大切です。
今回は、乾燥によってひき起こされることがある肌トラブル&対策方法をご紹介します。
目次
■乾燥によってひき起こされることがある肌トラブルとは?
乾燥した環境にいると皮脂の分泌が減り、肌の角質の水分が不足して乾燥肌になりやすいです。乾燥肌になると、以下のような肌トラブルがひき起こされることがあります。
①カサつき、シワ
乾燥によって肌の水分が不足し、肌がカサついたり、シワができることがあります。
②湿疹、アトピー性皮膚炎
乾燥肌になると肌の水分が不足して角質がはがれやすくなります。
角質がはがれた肌はすき間ができてしまい、細菌・ウイルスやアレルギーの原因物質が侵入しやすい状態です。
角質の中に侵入した細菌・ウイルス、アレルギーの原因物質により、湿疹やアトピー性皮膚炎の発症・悪化をひき起こすことがあります。
③肌のかゆみ
乾燥肌を放置していると、肌の水分の不足によって皮膚の奥にある知覚神経が皮膚の表面近くまで伸び、刺激を感じやすくなります。肌が刺激を感じやすくなることで衣服のこすれや洗剤など、ちょっとした刺激にも反応してしまい、肌のかゆみをひき起こす場合があります。
■乾燥肌がひき起こす肌トラブルの対策方法
乾燥肌によってひき起こされる可能性がある肌トラブル。乾燥肌が原因の肌トラブルを改善するためには、以下の3つを中心にそれぞれの症状に合った対策を行うことが重要です。
1.ご自身で行う毎日のスキンケア
2.皮膚科でのプロケア
3.肌の乾燥・刺激の予防
①カサつき、シワの対策方法
乾燥肌が原因の肌のカサつき、シワに対しては、いかに保湿できるかが改善のカギです。保湿を中心に、ご自身で以下のスキンケアを行うことで症状を改善できる場合があります。
≪セルフケア≫
・ワセリンや保湿クリームを肌に塗る
・睡眠を多く取る(7時間以上の睡眠が理想)
・喫煙者の方はタバコの量を減らす、または、禁煙する
・加湿器を使い、室内の湿度を保つ
セルフケアでカサつき、シワが改善されない場合は、皮膚科(or美容外科)にて以下の治療を受けることで肌の状態の改善にアプローチできます。
≪皮膚科(or美容外科)での治療≫
・レーザー治療(皮膚のターンオーバーをうながす)
・ヒアルロン酸・脂肪を皮膚に注入する
・高周波温熱治療
・リフトアップ手術(美容外科での手術)
尚当院では上記レーザー・ヒアルロン酸注入・脂肪注入・高周波熱治療・リフトアップ術は行っておりません。
②湿疹、アトピー性皮膚炎
乾燥肌が原因の湿疹、アトピー性皮膚炎に対しては、まずは皮膚科で診察を受けることが大切です。皮膚科での受診に加え、肌の状態に合わせてご自身で以下のスキンケアを行うことで症状を改善できる場合があります。
≪セルフケア≫
・ワセリンや保湿クリームを肌に塗る(※)
・できるだけ肌を清潔に保つ(ただし洗い過ぎは肌の症状の悪化につながるためNG)
・UVクリームや帽子などで紫外線対策をする
・必要以上の手洗いや水仕事はしない
・刺激物(辛い物など)の摂取は控える
・界面活性剤が少ない&蛍光剤を含まない洗剤を使う
・化学繊維やウールの衣服は着ない
・肌をかかない
・加湿器を使い、室内の湿度を保つ
・ストレスを溜め込まないようにする
(※)湿疹、アトピー性皮膚炎の状態によって
使用できる保湿成分が異なります。湿疹、ア
トピー性皮膚炎の症状が見られる方は保湿剤
を用いる前に皮膚科にて、使用できる保湿
成分について医師に尋ねてください。
{湿疹、アトピー性皮膚炎は乾燥肌以外の原因でひき起こされることも}
細菌・ウイルス、アレルギーなど、湿疹、アトピー性皮膚炎の発症・悪化は乾燥肌以外の原因でひき起こされるケースが少なくありません。
セルフケアで対処しても、乾燥肌以外の原因で起きる湿疹、アトピー性皮膚炎は改善されない可能性があります。改善されないばかりか、自己判断によるセルフケアで湿疹、アトピー性皮膚炎の症状がさらに悪化してしまうおそれも。
湿疹、アトピー性皮膚炎が疑われる、または、湿疹、アトピー性皮膚炎でお悩みの方はセルフケアのみで対処しようとせず、まずは、皮膚科にて診察を受けることをおすすめします。
≪皮膚科での治療≫
・塗り薬(ステロイド)やプロトピック軟膏、保湿外用薬で症状を抑える
③肌のかゆみ
乾燥肌が原因の肌のかゆみに対しては、肌をかかないことはもちろん、できるだけ肌に刺激を与えないことが重要です。肌への刺激をできるだけ減らし、ご自身で以下のスキンケアを行うことで症状を改善できる場合があります。
≪セルフケア≫
・ワセリンや保湿クリームを肌に塗る
・入浴・シャワーの際はゴシゴシ洗いすぎない
・長湯や長時間のシャワーは控える
・熱いお風呂には入らない(入浴するときはぬるめのお湯にする)
・必要以上の手洗いや水仕事はしない
・刺激物(辛い物など)の摂取は控える
・界面活性剤が少ない&蛍光剤を含まない洗剤を使う
・化学繊維やウールの衣服は着ない
・肌をかかない
・加湿器を使い、室内の湿度を保つ
・ストレスを溜め込まないようにする
セルフケアで肌のかゆみが改善されない場合は、皮膚科で以下の治療を受けることで症状が緩和にアプローチでき、肌の状態改善につなげられる可能性があります。
≪皮膚科での治療≫
・ヒルドイドやウレパールなどの保湿外用薬で保湿する
・オイラックスやレスタミンコーワなどの軟膏でかゆみを緩和する
【乾燥肌が原因の肌トラブルや帯状疱疹など、肌の悩み・肌の症状がある方はご相談ください】
乾燥肌はたかが乾燥、と放って置かれがちです。しかし、乾燥肌を放置するとカサつき・かゆみなどの症状が悪化して常に肌が気になってしまい、仕事や趣味に集中できなくなったり、眠れなくなることも。
乾燥肌が原因の肌トラブルに対しては、ご自身で行うセルフケアのみではあまり効果が得られない場合もあります。
今回ご紹介したセルフケアで効果が得られない場合は皮膚科でプロケアを受け、さまざまな方向から肌の状態の改善にアプローチすることが大切です。皮膚疾患のプロフェッショナルである皮膚科でのケア・治療により、肌の状態改善にかかる期間が短縮される効果も期待できます。
{帯状疱疹に要注意}
乾燥肌のほか、近年は帯状疱疹で皮膚科を受診する方が増えています。
帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスによって発症する皮膚疾患です。帯状疱疹になると皮膚の痛みや発疹などの症状が現れやすくなります。
以前と比べ、現在はコロナが弱毒化していますが、コロナやインフルエンザの影響によって外出不足・運動不足になり、免疫力が低下することで帯状疱疹を発症している方が増えているのではないかと推測されています。
帯状疱疹は予防接種があります。80歳までに3人に1人が発症するといわれております。
50歳をすぎたら帯状疱疹の予防接種が受けられますので是非予防接種をしましょう。地域により補助金がでることがありますので最寄りの自治体に確認ください。
乾燥肌が原因の肌トラブルや帯状疱疹など、肌の悩み・肌の症状がある方は当院までご相談ください。
診察では医師が患者様の肌の状態を確認し、お1人お1人に合った治療方法・セルフケアの仕方を丁寧にわかりやすくご説明いたします。