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ブログBLOG

ご家族向け 「認知症」とは


「最近、夫(妻)が疑り深くなった…」

「お父さん(お母さん)の言動がおかしい…」


ご家族に上記のような症状はありませんでしょうか?


年齢を重ねると、どなたも老化していきます。関節の痛みや関節リウマチなどの身体の老化と共に注意したいのが、脳の老化にともなって起きる「認知症」です。


今回は中高年世代のご家族をお持ちの方に気をつけていただきたい「認知症」についてご説明いたします。


■認知症とは

◎脳の神経細胞の働きが衰え、認知機能が低下する疾患です

認知症(にんちしょう)とは、老化にともなって脳の神経細胞の働きが衰え、「記憶する」「判断する」などの認知機能が低下する疾患です。


認知症は主に70代以上の高齢者の方に多く見られます。高齢者の方のほか、近年では65歳未満の方が発症する若年性認知症も増えています。


◎加齢による物忘れ と 認知症の違い

年齢を重ねると、加齢による物忘れはどなたにも起こり得ます。加齢による物忘れは一見すると認知症と勘違いされやすいのですが、両者には以下のような明確な違いがあります。


  加齢による物忘れ 認知症
忘れたことへの自覚 ある ない
行ったことの忘れ方 一部を忘れる(夕食のメニュー、どのお店で何を買ったか) すべてを忘れる(食事をしたこと自体を忘れる、出かけたこと自体を忘れる)
日常生活への大きな支障 大きな支障はないことが多い 大きな支障がある
症状の進行速度 加齢にともない、ゆっくりと物忘れが進行することが多い 短期間(速い場合は数日~数ヶ月間)で急激に認知症が進行する場合がある

 


◎認知症と似た精神障害(うつ、統合失調症)やせん妄にも注意が必要

・うつ、統合失調症


認知症には「身だしなみを気にしなくなる」など、うつ、統合失調症に似た精神障害のような症状が起きることがあります。


「認知症では」と疑われる場合でも、精神科・診療内科で診察を受けた結果、うつ、統合失調症などの精神障害と診断されるケースも。


・せん妄


せん妄とは、強いストレス(ケガ、病気、脱水、貧血、薬物などの原因による強いストレス)がかかったことで生じる一時的な混乱状態を指します。


せん妄と認知症の違いは、せん妄は一時的な混乱状態でありストレスが解消されれば認知機能が正常に戻ることがあるのに対し、認知症は「持続的な脳の機能低下」(完治はしない=認知症になる前の状態に回復できない)である点です。


せん妄と認知症は別の物ですが、せん妄状態から認知症へ進行することも多く、また、認知症の方がせん妄状態に陥ることも。せん妄と認知症を見極めるためには、ご家族、および、医師がご本人の状態を注意深く見守る必要があります。



■認知症の初期症状

◎ご家族にこんな症状、見当たりませんか?

認知症にはタイプがあります。もっとも多いのはアルツイマー型認知症で全体の約67%を占めます。次いで血管性認知症(約19%)、レビー小体型認知症(約4.3%)、前頭側頭型認知症(約1%)と続きます(※)。


(※)朝田隆「都市部における認知症有病率と認知症

の生活機能障害への対応」(2013)より引用。


認知症のタイプによって症状の出方にさまざまな違いがありますが、認知症では以下のような初期症状が起こりやすいです。認知症が疑われる方、また、中高年世代のご家族をお持ちの方はご家族に以下の症状がないか、ご確認ください。


≪記憶障害≫


(特にアルツハイマー型認知症に多い)


・少し前のことや出来事を忘れてしまう、覚えていない

・何度も同じことを言う


≪被害妄想≫


(特にレビー小体型認知症に多い)


・「財布の中のお金や預金残高が少なくなっている」「大事な物を家族に盗られた」などの物盗られ妄想

・「妻(夫)が浮気している」「ほかの男性(女性)と密会している」などの嫉妬妄想

・「家族に捨てられる」「自分は必要とされていない」などの見捨てられ妄想


≪幻覚・幻聴≫


(特にレビー小体型認知症に多い)


・「浮気相手が妻(夫)の寝室にいる」「夫(妻)が若い男性と密会しているのを見た」「知らない人が枕元にいる」などの幻覚

・「「あなたとはもうやっていけない」と言われた」「〇〇から怒鳴られた、ひどいことを言われた」などの幻聴


≪態度・精神状態の変化≫


(特にレビー小体型認知症に多い)


・「お前(貴方)とはもう離婚だ」と言った翌日に「お前(貴方)なしでは生きていけない」と言うなど、コロコロと態度や言動を変える

・昼間は精神状態が比較的落ち着いているものの、夕方以降~夜になると精神状態が悪化し被害妄想・嫉妬妄想などの症状が出始める


≪睡眠障害・睡眠時の異常行動≫


(特にレビー小体型認知症に多い)


・夜、眠れずに夜通し起きており、昼間に眠り込んでいる・ウトウトしている

・夜、やおら起き出して「あのときの密会はなんだ!」「あのお金はどこにやった!」などの睡眠時の異常行動・異常な言動が見られる


≪作話(うそ、作り話)≫


(作話は認知症全般に見られる)


・うそや作り話をする(物忘れによる失敗を隠そうとして、うそや作り話をする)


≪物事への無関心≫


(血管性認知症、前頭側頭型認知症に多い)


・身だしなみを気にしなくなる

・趣味や日課をしなくなる


≪反社会的な行動≫


(特に前頭側頭型認知症に多い)


・万引きをする

・他人の持ち物を黙って拝借する



■認知症を早期発見するためには

認知症の怖いところは、認知症になったご本人にはご自身が認知症であることの自覚がない点です。自覚がないため、ご本人がご自身で医療機関を受診して認知症が見つかるケースはほとんどありません。


認知症を早期発見し、早期治療を行うためには周りのご家族がご本人をお連れして、医療機関にて脳の検査をはじめとする認知症の検査を受けさせることが重要です。


◎VSRADによる脳の萎縮度検査を行い、症状や経過を見た上で適切に認知症の有無を診断することが重要

認知症の早期発見には、高性能MRIを用いて脳の萎縮度を調べる「VSRAD(ブイエスラド)検査」が力を発揮します。


高性能MRIを用いてVSRAD検査を行うことで脳の萎縮度を調べられ、認知症の進行度合いを推測できます。ただし、加齢(認知症をともなわない加齢)やアルコールの摂取などの原因でも脳は萎縮する場合があるため、脳が萎縮しているからと言って必ずしも認知症とは断定できません。脳が萎縮していても認知症ではない方も多いです。


認知症がどうかを見極めるにはVSRAD検査を実施すると共に医師による診察を行い、患者さんの症状や経過を見た上で適切に認知症の有無を診断することが重要です。


<認知症の検査・診察の内容>


・高性能MRIを用いたVSRAD検査による脳の萎縮度の確認

・医師による口頭での質問形式の診察

・長谷川式スケール検査(記憶力を評価するために行う質問形式の認知症検査)



■ご家族が見守り、「貴方は大切な存在」「いつもそばに居るよ」と伝えてあげることが大切

◎認知症の進行を抑制するためには、ご家族による見守りとコミュニケーションが大切です

「人生の終焉に近づくことの寂しさ・怖さ」「家族にとって自分は必要とされていないのでは」などの“心の不安”があると認知症が進行しやすくなると言われています。


病気による体力の衰えやパートナーの喪失など、心の不安・精神的ストレスが原因で認知症を発症する・認知症が進行するケースは少なくありません。


認知症の可能性がある方、また、認知症の方に対してはご家族が以下のように接してご本人を安心させてあげてください(下記の言葉をそのまま伝えるのではなく、参考にしていただき、ご自身の言葉で自然な形で伝えるとよいでしょう)。


ご家族からの見守りとコミュニケーションを行うことで認知症の方がご家庭の中で自分の居場所を見つけられ(「自分はここにいて良いんだ」「自分は必要とされているんだ」と思えるようになる)、ご本人の精神的ストレスが減って認知症の進行を抑えやすくなります。


「いつも貴方を見守っているよ」

「貴方は大切な存在だよ」

「家族(みんな)はいつも貴方のそばに居るよ」

「ちょっとトイレに行くだけ・外出するだけだから、大丈夫だよ(トイレや外出の際にその都度伝える)」

「いつも、〇〇(家事や仕事のほか、ちょっとしたことでもOK)をしてくれてありがとうね」



【ご家族・ご自身に物忘れなどの症状がある場合は当院までお気軽にご相談ください】

高性能MRIを用いたVSRAD検査、および、医師による診察(質問形式の診察を含みます)を受けることで認知症の早期発見・早期治療につながります。


認知症の進行を抑え、末期状態にならないようにするには初期段階で認知症を発見し、早期に服薬治療を始めることが重要です。


「最近、物忘れがひどくなった」

「家族が「お金を盗まれた」と疑っている」

「家族が「浮気をしているんじゃないか」と疑っている」

「家族が作り話をするようになった」


など、ご家族・ご自身に上記のような症状がある場合は当院までお気軽にご相談ください。ご来院時にはご家族・患者さんのご同意を得た上でVSRAD検査、および、医師による診察を行い、認知症の有無を診断します。


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